轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

「朝日新聞」1940(昭和15)年1月~10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 306,118 字 · 613 页

青空文庫

わしからも礼をいうぞ。――いざ立とう。頼隆も従けや」

彼は、館から歩み出した。猪鼻台の丘を大股に下って行った。

追いかけ、先立つ武者たちの物の具が、秋の陽に燦々する。城門のほとりや郭内の侍邸の並んでいる辻々には、たくさんの見送り人が佇んでいた。

武者が、旗を振って来るうしろから、頼朝を真ん中に、常胤の一族や、北条時政や、諸将の姿が見えて来ると、辻の人影はみな大地にうずくまった。――そして、頼朝の顔を見た者はなく、わずかに、力づよく運んで行くたくさんの武者草鞋の中に、

「あれが、もしや?」

と、思い寄せて見ただけであった。

陣貝が旺んになってゆく。

頼朝と常胤の兵を併せると、総勢七百からの行軍になった。ただ一色の源氏の白旗につづいて、千葉家の月輪の紋じるしも幾旒か翻っていた。

この日を、味方の数の殖えはじめとして、半日の間に、千を越えた。

「千葉殿がご加勢あるからには――」

と、五人十人ずつの、小さい仲間も俄に駈けつけてくるし、その前に、頼朝から召きの書状が飛んでいる葛西領、豊島領あたりの僧も二十、三十と郎党を率きつれて、途中から加わった。

――鎌倉へ!