轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
「朝日新聞」1940(昭和15)年1月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 306,118 字 · 613 页
と、骨肉以上な、つよい情愛にもむすばれてくるものである。
「どうしたものだろう」
頼朝は、迷っていた。
――が、その事ばかりは、妻の政子へも、舅の時政へも語らなかった。そこにも彼の用意があった。妻の一族の誰彼をふり顧って考えると、
「やはり誰よりも、義経こそ、信頼のできる自分の弟だ」
と、血は水よりも濃いということばに、気がつくのだった。
その義経は今、鎌倉にはいなかった。使いの途中、近江の佐々木ノ庄に逗留していた。
「そうだ。やはり弟に命じるべきだ。思い迷っているも愚か……」
頼朝は、心を決めた。
決意は短時日に迫られていたのだった。なぜならば、彼の手許には、後白河法皇の密勅が、それより幾日か前に人知れず届いていた筈であるから。
途中の人
一
義経は、それより少し前に、
(――東国の年貢を朝廷に上るの使)
として、貢ぎの荷駄に、五百騎ほどの従者をつれ、兄の命をうけて、京都へ向っていた。
尾張の熱田の宮前で休息していると、
「源九郎御曹子ではないか」
と、声をかけた旅人がある。
「あ、これは」
義経は近づいて、先の礼儀に、急いで会釈した。
供も二、三しか連れていないし、姿も見ちがえられたが、それは後白河院の北面の下公朝であった。