轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
十三
申しあげたいといったのは、その一事です」
「ほう、それでは、すでに小松殿を初め六波羅では、新大納言の策謀を感づいておられるのか」
「一兵なりと動かしたらばと、手具脛ひいて、待ちかまえているのです」範綱は心の裡で、
(あぶない!)と、思わず大息につぶやいた。さしあたって不安になるのは、法皇のおん身であった。あれほど、仰せられたことであるから、新大納言一味の策にのせられることは万あるまいとは思うが、
(もしかして? ……)という気もしないではなかった。
「よう教えてくれた。――箭四郎、この曲者を、裏門から放してつかわせ」範綱は、そういいすてて、あわただしく自分の室へかくれた。
十三
やがて、玄関のほうで、
「箭四っ、箭四っ」と呼ぶ声がした。
箭四郎は、曲者の七郎を、裏門からそっと放してやったところだった。
「はいっ」駈けてゆくと、玄関の式台には、範綱が直垂を改めて立っていた。
「馬をっ――。急いで」
「はっ」箭四郎は、厩から馬を曳きだしたが、病気と偽ってひき籠っている主人が、何でにわかに外出を思い立ったのか、そしてまた、世間の耳目にも憚りはないのかと、ひとりで危惧していた。