轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
四
「しからば、いよいよもって、不埒な奴は、その相手の者、下手人はどうした」
「引っ捕えて、ただ今、あちらに縛しめておきましたが、その処分を、いかがいたしたものかと……ただ今、お奉行まで、ご相談に参ったわけでござります」
「む」と、国時は、峻厳な面持ちをして――
「その相手も、屋根葺か」
「大工組の職人で、河和田の平次郎という者です」すると、奉行の藤木権之助が、
「あっ、またあの平次めが、そんな乱暴をしおッてか」と、口走った。
国時は、苦りきって、
「しからば、こういうことは、一度ならず、幾度も、重ねておる奴じゃの」
「は……この先の河和田に住んでおる若い職人で、平常、酒ばかり飲んで、喧嘩ばかり仕かけ、村でも仲間でも、手におえぬ厄介者とされておる奴でござります」
「たわけが」と、国時は、棟梁へも、奉行へも、叱りつけるようにいった。
「さような身持ちのわるい無頼な人間と分り切っていながら、なぜ、伽藍建立の清浄なお作事に使っておるかっ、そのほうどもの人事の不行届きでもあるぞ」
「はっ……その儀は、重々私どもの責任と思うて恐れ入っておりまする。……がしかしその河和田の平次郎という職人の性質は、今も申し上げた通り、酒乱、無頼、凶暴、何一つ取得のないやくざ者にはござりまするが、ただひとつ、鑿を持たせては、不思議な腕を持っていて、天稟と申し