轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
六
ばたばたと、衣ずれが、四方にわかれて、みんなどこかへ隠れたらしい。時々、
東寺の鬼は
何さがす――
と歌いつつ、手拍子をならした。
範宴は、つま先でさぐりながら、壁や、柱をなでてあるいた。そしてふと、眼かくしをされた自分の現身が、自分の今の心をそのままあらわしているような気がして、かなしい皮肉にうたれていた。
六
くすくすと、そこらで忍びわらいがする。
それを目あてに、範宴は手さぐりをしては、室内をさまよった。
そして、几帳の蔭にかくれていた人をとらえて、
「つかまえました」と、目かくしをとった。それは、玉日姫であった。姫は、
「あら……」と困った顔をし、範宴は、何かはっとして、捕えていた手を放した。
「さあ、こんどは、お姫さまが鬼にならなければいけません」と、乳人や女房たちは、彼女の顔をむらさきの布で縛ろうとすると、
「嫌っ」と姫は、うぐいすのように、縁へ、逃げてしまった。出あいがしらに小侍が、
「範宴どの、青蓮院さまが、お帰りでございますぞ」と告げた。範宴はほっとして、
「あ。おもどりですか」人々へ、あいさつをして、帰りかけると、姫は、急に、さびしそうに、範宴のうしろ姿へ、