轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
二
「犬は?」と、弁円のうしろを見て、
「あの黒犬は連れていないのか」
「ウム」
「死んだのか、かわいそうに」
「いや、斬ってしまった」
「誰が」
「元よりおれがだ」
「飼主が飼犬を斬った、むごいことをする男だ」
「四郎、おまえでも、酷いということを知っているのか」
「人間は、勝手放題な真似をしたあげくだから、殺された奴でも、そう酷いという気はしない。――だが、犬なんぞは、ろくな思いもしていないし」
「はははは。おかしな感情を持っている男だ」
「なぜ斬ったのだ」
「忌々しいことがあったからだ。聞いてくれ、こうだ」堤の上に、腰をおろした。すすきや秋葉の枯れたのが、根に霜を持っているのか、腰の下でばりばりと折れる。
「この春先だ。まだひどく寒かったよ。おまえと別れてから間もなく、おれは、例の善信の奴が、岡崎の草庵を出て、難波から河内のほうへ旅に出たのを知ったから尾けて行った。そして、磯長の太子廟に夜籠りをしたのを知ったから、こよいこそと、忍び寄って、善信めを斬ろうと計ったところが、あの連れている犬のやつが、縛っておいた縄を噛みきって、大事な刹那に、堂の中へ飛び込んできたろうじゃないか」