轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
五
ひとつその破戒坊主の範宴をさがし出して、うんと強請ってやったらどうでしょう」
「ほんとか、その話は」
「懸値はありません」
「こいつは金になる。ならなかったら範宴のやつを素裸にして、都大路へ曝し物にして曳き出し、いつぞやの腹癒せをしてやろう」
それから数日の間、ここに巣くう悪の一群は、毎日、範宴の居所と、噂の実相をさぐることに交る交る出あるいていた。
五
「おウい、一休みやろうじゃないか」谷へ向って一人が呼ぶ。
「おウいっ」そこから声が湧いた。
四、五人の若い学僧だ。雪が解けたので、この冬籠りのうちに焚き尽くして乏しくなった薪を採りに出てきたのである。雪に折れた枯れ枝や四明颪しに吹かれた松葉が沢にも崖にも埋まっていた。その谷間はようやく浅い春が訪れてきて、谷川の裾の方には鶯子啼きが聞え、樹々はほの紅い芽を点じてはいるが、ふり仰ぐと、鞍馬の奥の峰の肩にも、四明ヶ岳のふかい襞にも、まだ残雪が白かった。
「やあ、ここは暖かい」南向きの谷崖へ、学僧たちは薪の束を担いあげて車座になった。太陽の温みを持っている山芝が人々の腰を暖かに囲んだ。
「長い冬だったなあ」
「やっと、俺たちに春が来た」