轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
六
「……太夫房覚明という者が労仕の衆の中におるそうじゃの」
「はい、見えております」
「おん身を慕って、この禅房に、置いてくれという頼みを、蓮生からすがってきた。なんといたそう」
「成らぬことに存じます」
「なぜの」
「綽空にはまだ、人の師たる資格ができておりませぬ。また、上人に給仕し奉る一沙弥の私に、付人などは持たれませぬ」
「じゃが……」上人は考えこんだが、すぐ白い眉をあげて、
「この法然がゆるすと申したらどうあろうか。念仏門の屋根の下には、階級も、事情もないはずじゃ。何ものにもこだわらず、あるがままに平等な姿であるのが念仏者じゃ」
「お返し申すことばはございませぬ」
「では、おまかせあれ」
「はい」
「蓮生、伝えてやれ」熊谷蓮生はすぐ起って、
「よろこびましょう」と、外へ出て行った。
覚明は、雀躍りして、やがて綽空の前にひざまずいた。綽空は、叱った。
「なぜそんな礼儀をする。上人のおゆるしによって、お汝も入室されたのだ。今日からは、いわば綽空とも同様な同寮の清衆であるのだ。この身に侍くなどと思う心をすてて、お身と共に、念仏に専念することじゃ」
「ありがとう存じます」覚明はそういわれた旨をよく体して、禅房の末座に加わって、薪を割り、水を汲んだ。