轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
仏を見た弟子
一
「あるが――どころじゃないわ。あれは近ごろ、どうかしておる、よほどどうかしておる。憑きものにでも憑かれたような」
「ふむ……。なんぞ、そうした原因があるのかの」
「それはあろうとも」
「なんじゃ、一体、石念の憑きものというのは……」
「いや、それはいわれぬ、滅多に口にすることじゃない」定相はにがり切って、蚊遣りの煙のうちに、唇をむすんでしまった。
暗黙のうちに、他の二人もうなずいた。やはり口に出せなかった気持なのである。それは、彼らの潔癖にとって、最も忌わしく感じられることなので、それを是認することは、自分たち法の同胞の醜悪を認めるような気がするからだった。
もっとも、石念のそれは、あの都から来たふたりの女性がここに共に住むようになる前から、本質的に、なにか焦々しているふうが見えた。
それが、火となって鈴野への恋となっていることを、こう三人はうすうす知っていた。
恋を――女への仏弟子のそういう態度を、極端に冷蔑し、むしろ醜にさえ考えている三人には、石念のそれからの挙動が、ことごとにおかしくて、馬鹿らしくて、そしてこんな男が同房のうちにいるということだけでも、何かしら、腹立たしかった。