轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
二
稚子髪の時代の十八公麿が、いつまでも、慈円の瞼にはのこっていて、そのころの何も思わない艶やかな頬と今の範宴とを心のうちで思いくらべているのであった。
「おん身は今、焦心っている。火のように身を焦いて真理をさがしているのであろう。それはよいが、体をこわしてはなるまいが」と、慈円は愛し子を諭すようにいった。
二
師にお目にかかったら――と幾つもの疑問を宿題にして範宴は胸に蓄めていたが、あまりに、彼が憔悴しているさまを見たせいか、慈円僧正は、彼が、なにを問うても、
「まあ、養生をせい」というのみで、法問に対しては、答えてくれなかった。
実際、そのころの範宴は、食物すらいつも味を知らずに噛むせいか、すこしも胃に慾がなく、梅花を見れば、ただ白いと見、小禽の声を聴けば、ただ何か啼いていると知るだけであった。
それが、青蓮院へ辿りついて、師のやさしいことばにふれ、ふと安息を感じたせいか、二年余りのつかれが一時に出てきたように、病人のように、日ごとに頬の肉がこけ、眼はくぼんで、眸の光ばかりがつよくなってきた。
範宴自身が感じているより幾層倍も、慈円のほうが、案じているらしくみえた。