轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
二
「まだ支度か。客人もお見えになっているのに」と、つぶやいた。
「お伝えして参りましょう」侍臣の一人が立って行った。花明りの廊下の彼方へその姿が朧になってゆく。廊には、燈の入った釣龕燈が幾つとなく連なっていて、その奥まった一室に、姫は、帳を深く垂れて、化粧をしていた。
湯殿から上がったばかりの黒髪はまだ濡れていた。童女たちは、柳裏の五つ衣を着た彼女のうしろに侍っていいつけられる用事を待っていた。侍女の万野は、姫の黒髪の根に伽羅の香をきこめたり、一すじの乱れ髪も見のがさないように櫛をもって梳いたりしていた。
やがて、姫は鏡を擱いた。そこへ廊下からの声が、
「お姫様。叔父君にも、お客人にも、お待ちかねでございまする」万野がすぐ、
「はい、もううかがいます」と答えた。
窓から花明りの風がさやさやと流れこんで姫の黒髪を乾かした。
「お姫様、それでは」促すと、玉日は、静かに立って童女や万野と連れだって自分の部屋を出た。そして、客殿の輝かしい明りが池殿の泉に映って見えてくると、玉日は、立ちどまってしまった。
万野が振り向いて、
「お姫さま。どう遊ばしたのですか」姫は、欄の柱へ顔をかくして、