轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页

青空文庫

二

その日の話は長かった。講義が終ると、月輪殿はすぐ玉日を、上人の座下へ連れて行って、紹介わせた。上人は、さも、満足そうに、

「おう……この女性でおわすか」と、慈悲の眼をほそめて、玉日の姿へ見入った。そして、独りうなずきながらまたいうのであった。

「まことに、仔細なき坊守よな。綽空の望みも、これで一つとどいた。弘誓の海はまだ遠いが、本願の大船は、ひとまず、陸に浪を憩うがよい……」

二

翌日も、若い夫婦は、きのうのように輦で吉水の門へ通ってくる。

雨の日も、風のふく日も、それからは、一日とて怠る日のない綽空と玉日であった。四百に近い諸弟子のうちで、この二人だけがいつも講堂で眼立った。老いたる沙弥たちは、

「健気なご精進よ」といったが、若い沙弥たちには、玉日の麗わしさと、綽空の幸福そうな落着きとが、とかく、眼に障った。うらやましいと思わずにいられなかった。そして浄土門の教義をめいめいが、もう一遍深刻な気持になって考え直し出したらしい容子なのである。

「よいことだ」と、上人はいわれた。

また、ある時は、講義の壇から、上人はこういう意味のことも洩らされた。

「この中で、法然房のことばを真に汲みとって、即座に、仏陀の恩寵を感じ、この世をば、この肉眼で、万華の浄土と眺め得られるものは、おそらく、綽空とその妻とが、第一であろう」