轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
三
「笑止、笑止」学僧たちは、手を打って、笑いあった。
「南都の大伽藍を焼き払ったり、大仏殿の炎上を敢てしたりした平家が、その仏にすがって、調伏の祈願するとは、何という勝手なことだ」
「先には、十禅師の神輿をさえ、踏み躙った、あの羅刹どもが、祈願をしたとて、何の効があるものか」学僧たちの話しているのを聞けば、むしろ、平家調伏の声であった。
すると、実相院の朱王房という若い堂衆がいった。
「あまり、自己を、侮蔑するな、聞き苦しい」
「何だと、朱王房」学僧たちの眼は、彼の顔にあつまった。
三
口論や、なぐり合いは、日常茶飯事であるし、何か事ある時は、身を鎧い、武器をひっさげて、戦をもする当時の僧であった。
気のあらい学僧たちは、朱王房のことばに、すぐ、眼にかどを立てて、
「誰が、いつ、自己を侮蔑したか」
「したじゃないか」朱王房も、負けていないのである。
「なるほど、皆のいう通り武家というやつは、勝手者だ、わけても、平家の如きは旺な時には、神仏を焼き、衰えてくると、神仏にすがる、怪しからぬ一族だが、その武家に養なわれて、平家の世には、源氏を呪い、源氏の世には平家調伏の祈りをする、われわれ僧侶という者のほうが、いくら、役目とはいえ、神仏を馬鹿にしているものだ。