轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
五
「…………」
「第二には――その密偵、実性なる下司、山門の僉議を盗み聞き、世上へ怪しからぬ風説を流布いたしたる罪状はいかん」
「…………」
「第三には、山門法師の者、それについて、この草庵へかけあいに参りたるを、門輩の暴僧を出して、腕力をもって打擲したる理由はいかん」
「…………」
「以上三つ、なんとあるかっ、善信房」
「…………」
「無言でおるは、一言の申しひらきもないという表示か。しからば、約束どおり、この小屋を踏みつぶし、そちの素首をたたき落して持ち帰るぞ」すでに一人は土足を板縁にかけ、一人は善信の腕くびをつかんで、外へ引きずり出そうとする。
「何をするッ――」うしろへ来て、猛虎のように師のからだを警戒していた覚明は、たまらなくなって、突っ立った。
「――控えいっ」善信の声は、その覚明へ向って投げられたのである。
「今、仰せ承る三つのこと。すべて、善信としていい開きもない落度です。いかようとも召さるがよい。……誰も、手出しの儀はなりませぬぞ」
「おう、よくいったっ」引き下ろされて、善信のからだは、草庵の外へ転んで落ちた。
顔いろも失わない善信であった。
すぐ大地へ坐り直して、彼らの兇暴な腕力の下に体を与えてなんの惜しみもおののきもない容子なのである。