轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
「蔵人行綱というか」清盛はいった。
「はっ」
「――めずらしい者が舞い込む……」と、これは独り語のように笑いながらつぶやいて、
「院に仕える武将が、忍びやかに、この西八条へは、何しに来たか」
「されば……」蔵人の声は渇いていた。
「きょうの昼中より、あわただしゅう、院の内外に軍兵を催されておる仙洞のさまを、相国には、なんと御覧ぜられまするか」清盛は事もなげに、
「山攻めと聞くが」といった。
「滅相もない偽りざたです」
「なに、嘘じゃと」
「まことは、真夜半のころを計って、この西八条の邸を取り巻かんとする軍の催しでござる」
「わはははは」清盛は、扇子で膝を打ちながら肩を揺すぶって、哄笑した。
「こやつ、なにを賢げに、訴えるかと思えば、夢でも見てきたような囈言。この清盛に弓をひく者はおろか、西八条の邸に小石一つ投げつけ得るほどの者が、天下にあろうか」
「その御油断こそ、院中の不平もの輩が窺う隙でござります」
「院中の不平者とは、誰をさしていうか」
「新大納言を初め、浄憲法師、その他、北面の侍ども、挙って、世を不平といたし、相国の御一門をば、呪っております」
「まったくか」
「なんで、かような大事に、虚言を構えましょうや。