轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页

青空文庫

三

山攻めとは、怖れながら、間近の敵を詐る詭計にござりまする」

「法皇は、それを、ご存じか」

「俊寛法師の鹿ヶ谷山荘にも、ひそかに、行幸ましまして、このたびの盟約には、ひとしお、お力を入れているように承りまする」

清盛は、入道頭を、ついと横へ向けた。そして眼下の蔵人はもうその眼の隅にもないように、侍部屋の廊へ向って、

「筑後っ。筑後やあるっ」と、呶鳴った。

その声に威圧されて、蔵人は、白洲に居たたまれなくなった。思わず腰をうかして、挨拶もせずに、こそこそと中門の方へ走って消えようとすると、清盛が手の扇子を上げて、背後から叱咤した。

「しゃつ! 捕えて置けっ」

三

侍たちが、跳びかかって、彼のきき腕をねじ上げると、

「あっ、それがしに、なんのお咎めをっ」蔵人は、もがいた。

清盛は、答えもしない。筑後守貞能に向って、何事かいいつけていた。貞能が去ると、左馬頭行盛が呼ばれ、行盛があわただしく廊を駈けてゆくころには、もう右大将宗盛や、中将重衡などが、庭や、侍部屋に姿をあらわして、何事かさけんでいた。

一瞬のまに、西八条の邸は、兵の殺気にみちていた。甲冑、弓箭を、身によろって、またたく間に、兵に、兵の数が加わって、殖えてゆく。