轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
四
「新大納言の卿におわすか」兵の中から、一人の将が、薙刀の柄をもって、簾を刎ねあげた。大納言は、おののいて、虚勢も張れなかった。部将は、
「それっ、お迎え申せっ」
「あっ――」と、兵は、輦にたかって、牛を打ち、轅をつかみ、また輦の後を押して、
「牛頭、馬頭だ」
「地獄車だ」
「押せっ」
「曳けっ」わあっと、声を揚げながら、輦のまま、西八条の邸の中門の際まで、ぐわらぐわらと引っ張りこんだ。
武者の手が、大納言を地に引き摺り下ろした。
「縄をかけまするかっ」問うと、廊のうえで、
「縄目には及ぶまい」清盛の声である。大納言の顔いろはもう生きた人間のようではなかった。
四
辻々で、小戦あいが始まった。不意に逆襲せをくった院の兵はもろかった。
一群れ、一団ずつ、武器を奪りあげられて、降人となる組があるし、反抗して、大薙刀で、首を打ち落されている者や、組み敷かれて、
「斬れっ、おれの首は宙をとんで、西八条の入道に、噛みついてやるぞっ」と、呪いを、絶叫しながら、朱になってすぐ路傍の死骸になる者もある。
その中を、首魁の浄憲法師が、素裸足のまま、院の内から縄がらめになって突き出されてきた。