轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
五
五
そこの萱むらから十名ほどの悪童が、蝗のように逃げだした。
中に、寿童丸の姿も見えた。介は、眼をいからせて、
「おのれっ、今日こそ、もうゆるさん」
追いかけると、寿童は、半泣きに叫びながら、携えていた竹の鞭を揮って、介を打とうとした。
「小癪なっ」介は、鞭をもぎ奪って、寿童丸の顔を、平手で、はたいた。
枯れ草の燃えているなかへ、寿童は尻もちをついて、何か喚いた。すると、そこらの草むらから、
「やっ、若殿を」
「うぬ、よくも」子どもの背後には、大人が隠れていた。叫びあって、太刀や長刀を構えながら、成田家の郎党たちが、
「うごくなっ」と、介を取り巻いて、斬りつけてきた。
介は、驚いた。ここまで企んである悪戯とは思わなかったのである。
「なにをッ」彼も太刀の鞘を払った。
ばちばちと、枯れ草を焼く火や、萱の吐く黒い煙が、その剣をくるむ。
平氏の家人とは、構えて事を争うなとは、常々、口が酸くなるほど、主人から誡められていることではあるが、かくなっては、相手を斃さねば、自分が斃されるのである。生をまもることは、人間の絶対だ。介は、眼なじりをつりあげて、闘かった。
しかし、成田の郎党たちは、常に、こういう、あら業には馴れている侍どもだし、人数も多いので、介は、見るまに、斬りたてられた。