轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页

青空文庫

「さればさ、寺でも、困っておるらしい」

「その困り者へ、眼をつけて、はるばる奥州路から年ごとの鞍馬詣では……。ははあ、読めた」小膝を打って、

「――奥州平泉の豪族が、奢り振舞う平氏の世を憎んで、やがて源家へ加担の下地でなくて何であろう。これは、世の中が、ちと面白くなりそうだの」それには答えないで、

「おや」吉次は、空を仰向いた。ポツ、と雨が顔にあたる。

加茂の水には、小さな波紋へ、波紋が、無数に重なった。東山連峰の肩が、墨の虹を吐き流すと、蒼空は、見るまに狭められて、平安の都の辻々や、橋や、柳樹や、石を載せた民家の屋根が、暮色のような薄暗い底に澱んでゆく。

「ひと雨来るな」文覚も、立ちあがって、

「弥太。――いや奥州の吉次殿、して、宿は」

「いつも、あてなしじゃ。塒を定めぬほうが、渡り鳥には、無事でもあるし……」

「高雄の神護寺へ参らぬか」

「いや、さし当って、日野の里まで参らねばならぬ」

「日野へ。何しに?」

「遮那王様のお従姉がいらせられて、いつも、鞍馬へのお言づてを聞いてゆくのだ」

「はて、誰だろう?」

「また、会おう。――そのうちに」

「うむ、気をつけて行くがいいぞ」