轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页

青空文庫

四

「落着きなさい。……痴情の業のするところだ、醒めた後では、己れの心が、己れでもわからないほど、呆っ気ないものになってくる」

「お説教ならお寺でおしなさい。私は、坊さんは嫌いです」

「そうですか」苦笑するほかはない。範宴が、追いついてきた。

「どうした、性善坊」

「抑えました」

「ひどいことはせぬがよい」

「なに、自分で狂い廻って、泣きさけぶのです」

「お女房――」範宴は背をなでてやって、

「行きましょう」

「どこへさ」

「あなたのお宅まで、送ってあげます。風邪をひいてはなりません、着物も濡れているし……」

「死ぬ人間に、よけいなおせっかいです。かまわないで下さい」女人は救い難いものとはかねがね聞かされているところであったが、こういうものかと、範宴は、しみじみと見つめていた。

四

あさましいこの女の狂態を見るにつけて、範宴は、一昨日、鍛冶ヶ池の畔で逢った弟のことを思い出した。

弟は、あの時、池のふちで年ごろの若い娘と列んでいた。

まさか、人目にとやこういわれるほどのことではあるまいが、弟は、自分とちがって、蒲柳だし、優しいし、それに、意志がよわい。

範宴が、今度、叡山を下りてから、何よりもふかく多く心に映ったものは、「女」