轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
「地獄というのは、今のてめえの身の上だ。いい加減な戯言ばかりいって、愚民をだましてきた罪で、坊主はみんな、地獄に落ちるものと相場がきまっているらしい」悪口雑言を吐いて、
「お頭、行きましょうか」と、天城四郎をうながした。四郎は、梢の手をひいて、
「俺は、この女と一緒に、しばらく、都の方へ行き、半年ほど町屋住いをするつもりだ。てめえたちは、勝手に、どこへでも散らかるがいい」と、いま、性善坊のふところから奪った金に、自分の持ち合せの金を、手下たちに分配して、すたすたと、先に立ち去ってしまった。
もう反抗する力を失ってしまったのか、梢は、四郎の小脇に、片方の腕をかかえ込まれたまま、彼の赴く方へ、羊のように、従いてゆくのだった。
「あばよ」賊の乾分たちは、そういって、性善坊や朝麿の口惜しげな顔を、揶揄しながら、夜鴉のように、おのおの、思い思いの方角へ、散り失せてしまった。
範宴は、木の幹に、縛られたまま、耳に声をきかず、口に怒りを出さず、胸にはただ仏陀の御名だけをとなえて、じっと、眼をつむっていた。
夜半の霜がまっ白に野へ下りて月が一つ、さむ風の空に吹き研がれていた。