轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
十
その根本は、学問も思念も、すべてが、到らないためだというほかはない。こういう悩みをすることすら、僭越なのかも知れぬ。何よりもまず自身の解決からしとげなければならぬ。――栄達や功名の小我のためでなく、濁海の救船となって彼岸の大願へ棹さすために。
「おや、坊さんが、縛られてるぜ……」
「やれやれ、追剥にでも会ったのか、かわいそうに」夜はいつか明けて、範宴のまわりにも、性善坊や朝麿のそばにも、旅人だの馬子だのが、取り巻いていた。
十
すると、旅人の群れのうちから、
「おお、おお」一人の老婆が、同情の声をあげて、そこらに立っている往来の者たちに、
「おまえ方は、なんで手をつかねて、見物していなさるのじゃ。人の災難がおもしろいのか」と、叱りつけた。
そして、すぐ自分は、範宴のそばへ寄って、
「この辺は、野伏りが多いから、悪いやつに遭いなされたのじゃろう。オオ、オオ、体も氷のように冷とうなって、さだめし、お辛いことでござったろうに」老婆の行動に刺戟されて、それまで憚っていた往来の者が、われもわれもと、寄りたかって、性善坊の縄を解いたり、朝麿をいたわったりして、ある者はまた、