轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
「ほほう」僧正自身が、初耳であったように、奇異な顔をして、
「なぜじゃろう?」と、つぶやいた。
「さればです」と、べつな朝臣が、後をうけて話した。
「――僧正の秀歌には主上よりも、御感のおことばがあり、女の局や、蔵人にいたるまで、さすがは、僧正は風雅なる大遊でおわすなどと、口を極めていったものです。ところが、心の狭い一部の納言や沙門たちが、その後になって、青蓮院の僧正こそは、世をあざむく似非法師じゃ、なぜなれば、なるほど、松を時雨の歌は、秀逸にはちがいないが、恋はおろか、女の肌も知らぬ清浄な君ならば、あんな恋歌が詠み出られるはずはない。必定、青蓮院の僧正は、一生不犯などと、聖めかしてはおわすが、実は、人知れず香を袂に盗んで口を拭く類で、祇園のうかれ女の墻も越えているのだろう、苦々しい限りである、仏法の廃れゆくのも、末法の世といわれるのも、ああいう位階のたかい僧正の行状ですらそうなのだから、まことにやむを得ないことだ、嘆かわしいことだなどと、讒訴の舌を賢げに、寄るとさわると、いい囃しているのです」
範宴は、自分のことでもいわれているように、眸を恐くさせて聞いていた。