轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
「寒い」若僧は意気地なく木の葉の蔭へ兎のように丸まっていた。笠の下に竦んでいる眼は、この山の荒法師などとちがって気の小さい善良な眸をしていた。それに、色の白い皮膚や、腺病質な弱々しい骨ぐみからして、こういう旅をする雲水の資格はない若者なのである。
「会いたい。ここで凍え死にたくない。死んでも兄に会わなければ……」彼は、つぶやいて、凍えた両手を息で暖めた。必死になって身を起した、そして、沢の湿地を歩みだしたが、腐った落葉に足を辷らせて、渓流の縁まで辷り落ちた。
「…………」腰でも打ったのか、痛そうな眉をしかめていた。笠はもう、濁流に奪われて下流へながされていた。いつまでも起き上がり得ないのである。その肩へ、その顔へ、痛い痛い霰は打つように降っている。
その高貴性のある上品な面ざしは、どこか、範宴に似ていた。似ているはず――範宴の弟、今は青蓮院にいる尋有なのであった。
手長猿
一
むささびでも逃げるように、木の葉を騒めかせて崖を辷ってきた者がある。灌木の枝と枝とを掻き分けて、ひょいと首を出したのを見ると、それは四郎の手下の蜘蛛太であった。
もうほの暗い谷間をのぞいて、