轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
五
「うぬは何だ」賊がいうと、僧は静かに、
「範宴である」と答えた。
「えっ」思わずたじろいで、
「範宴? 聖光院の範宴か」
「さよう」低い声のうちに澄みきったものがある。その澄みきった耳は最前からの物音を知らぬはずはないが、その態度には小波ほどの愕きも出ていなかった。
五
「お身たちは何者か」範宴の問いに対して賊たちは賊であることを誇るように答えた。
「盗人よ」
「ほ」半眼を閉じていた眼をみひらいて範宴はまたいった。
「盗賊なれば、欲しい物さえ持って行けば、人を殺めるには及ぶまいが」
「元より、殺生はしたくないが、この堂衆めが騒ぐからよ」
「騒がぬように、わしがいい聞かせておくほどに、そちたちは、安心して、仕事をしてゆくがよい」
「こいつが、うまいことをいう。そんな古策に誰が乗るか。油断をさせて、鐘を撞くか、山法師どもを呼び集めてこようという肚だろう」
彼らは当然に信じなかった。そこの様子を聞いて頭領の四郎は、範宴を本堂へ連れてこいと伝えてきた。手下どもは彼の両手を捻じあげて立てと促した。悪びれた様子もなく範宴は引ッ立てられてそこを出て行くのである。天城四郎はといえば、本堂にあって、経櫃の上に傲然と腰をおろし、彼の姿を見ると突っ立って、頭から一喝をくらわした。