轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
恋愛篇
門
一
「またのお移りを待つぞ」などといった。
輦がゆるぎだすと、白河の上にも、如意ヶ岳のすそにも、白い霧のながれは厚ぼったく揺らいでいた。そして、どこからともなく、淙々と四絃を打つ撥の音がきこえてきた。
「お、琵琶の音がする。……加古川の法師は? ……」輦のうちで眼をふさぎながら、範宴は、玉日姫のすがたを、おぼろ夜の白い桜を思いうかべていた。
恋愛篇
門
一
すさまじい荒法師の一群が、肩をいからし、高足駄を踏みならして、
「もの申すっ」と聖光院の玄関に突っ立ち、こう呶鳴った。
「範宴少僧都に会いたいことがあって、遥けく罷りこした僧どもでござる。お取次をねがう」坊官たちは、玄関脇の一室で、
(や、また来た)と眼まぜをしあい、当惑顔をするのであった。
根来の誰とか、三井寺のなにがしとか、また聖護院の山伏だの、鎌倉の浪人者だの、名もない市井の無頼漢までが、きのうも今日もこれまで幾組来たことかわからない。
いい合わしたように、皆、
(範宴に会わせろ)とか、
(範宴をこれへ出せ)とかいう。
彼が叡山を下りて、ここへ帰ったという事実は、一日のうちに洛中洛外に知れわたってしまった。――燃えている炎の中へ、油の壺でも投げこんだように。