轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
今考えても、こうなるのが当然だった」
「そうかなあ」
「考えてみるがいい。功名に燃え、野望に燃え、物質の満足を最大な人間の行く先と夢みていたころなら知らず、年齢をかさね、泰平に帰って、よくよく落着いて自己のまわりを考えてみると、そこには、修羅の声や、血なまぐさい死骸の山こそ失くなったが、依然として、功利を争う餓鬼のような犬は絶えない。譎詐や権謀や、あらゆる醜い争闘は、むしろ、血の巷よりは陰険でそして惨鼻だ。そういう仲間にいれば、自分もまた、生涯その醜い争いに憂身をやつしていなければ、たちまち、他から陥しいれられてしまう。どうして、そういう所に、人間の安住があろうか。――かたがた、過去の罪業のおそろしさや、世観の一転が、地位名誉をかなぐり捨てさせて、自分をこの吉水の上人の名を慕わせてきたのじゃ。なんの不思議もない、自然の歩みだった」
五
「なるほど」覚明は、大きくうなずいた。そして、熊谷蓮生の黒い法衣のほか一物も着けない姿を見直して、おのずから頭のさがる気がした。
「その醜土から抜け出してみると、よくもまあ、あんな中で、たとえ半生でも送っていたと、俺も時々、過去をふり向いて慄然とすることがある」