轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
四
綽空は、真面目な態度を見せて、こう改まった。
「私には、まだこの寂境の独り居が、ともすると、雑念の思いにふける巣になって、しみじみ、孤独をよろこぶまでにはいたらない。近ごろは念仏専念に、いささか心の安らぎはあるが――」
「ご無理もない……。人間じゃもの。なぜあなたは、もう一歩出ないか」
「出ないかとは」
「申しかねることじゃが、そのお若い血を、制えようとなさるか」
「…………」
「わしのような破戒僧になり召されとはいわぬ。風雅へ逃避なされともすすめぬ。しかし僧侶の生活を離れて見て初めて僧侶の生活が分ったような気がします。大きな問題じゃ、まずその生活の根本義から僧侶は今の矛盾をすてて、大道に立ち直らなければなりますまい」
「私も考えているのです」
「人間の中の仏教でなければならぬ、あの世の浄土ではもう人が承知せまい、現世が極楽であり、現世が住みよく、楽しく、明るいものでなければなりますまい。その教化に立つ僧侶の生活はどうでしょうか。――わしがまずお手本じゃ、隠れてすることなら咎めぬが、人に見つかったが最後、女犯という、堕地獄という、破戒僧という、あらゆる鞭に追いまわされる。