轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
「頭領、熱いのを、どうです」酒を暖めて、一人がいう。
「今夜は、酒はいくらでもある」と、べつな一人が、このよき夜を謳歌すると、
「ただ、不足は、女がねえことだ」誰かが答える。
「ぜいたくをいうな。きのうまでは、酒どころじゃねえ。近江くんだりまで仕事に行って、その仕事は物にならず、地武士には追んまわされ、警吏には脅かされ、そのうえ逃げこんだ三井寺の法師武者にゃ大薙刀をお見舞いされて、二日二晩、食うや食わずで、ようやく生命びろいをしてきたところじゃねえか。それを思えば、こん夜の酒は、どうせ百姓家から盗みだした地酒で味はわるいが、時にとっての天禄の美味っていうやつだ」
「理窟はよせ」と、かたわらの者が叱った。
もう少しろれつの廻らないのが、
「そうだ、俺ッちにゃ、理くつは禁もつだよ。その日その日を、こうやって、暢気にたのしく、してえ三昧に送れりゃあそれでいいんだ。なあ、頭領、そうじゃありませんか」
天城四郎は火より赤い顔をして、大きな酒の息を、氷のような月へ吐いて、
「芸なしめ、呑むと、寝言ばかり吐ざいている。そんなこたあ、泥棒商売に入る時になぜ考えておかなかったのだ。