轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
十一
「容こそ、染衣を纒っておりますなれど、蓄妻肉の俗に馴れて、いまだに、美食玉住の在家をふり捨てもかなわず、こうしてただ心と行いとに、大きな矛盾を持ちながら念仏を申しておることゆえ、上人の仰せられる念仏や、御弟子たちの称える念仏とは、おのずから功力が違うものではないかと思われますがいかがなものでござろうか」
「ご疑念とは、そのことですか」上人は、月輪殿の素直な問いをよろこぶようにうなずいて、
「いわれのないお疑いです。経には、十万衆生と説かれ、釈には、一切善悪凡夫得生とあるではございませぬか。僧と、俗との間に、何の隔てがありましょうぞ。あなたの唱うる念仏も、この法然の念ずる念仏も、一です、二いろはありません」
「――けれど、女人を避け、不浄をらわぬ清僧の念仏と、朝夕に、妻子の恩愛には惑い、酒肉や五辛の物味にわずかな慰安をむさぼっている吾々のような不浄の口でいう念仏とは、どうしても、差があるように思われますが」
「――お考え違いである」上人は、胸をのばした。
「――常々、申すとおり、念仏門は、一切他力本願です、愚者悪者も、浄土に、洩らすまいというのが本願である道に、なんで、さような差別がありましょう、疑われるな、ただ、念仏さえ申せば、往生を得ること、法然が牢固として信じるところでござる」