轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
不退の輦
一
抱きしめて、再び、仰向けになった。
橋のうえには、もう、朝の人々が、往来していた。その中には、大身から贈る祝い物であろう、これ見よがしに僕に担わせて、月輪殿を訪れるらしい幾荷の吊台も通って行った。
不退の輦
一
庭造師が入って、古枝を刈ったり、病葉をふるい落したり、五条西洞院の別荘は、きれいな川砂に、箒の目が立っていた。
すぐ裏を行く加茂川の水には、もう、都から遠い奥の紅葉が浮いてくる。近くは、東山の三十六峰も真紅に燃えている秋なのである。
建仁三年の十月。綽空にとっては一つの到達であり、玉日にとっては忘れ得ない生涯の日が来た。二人は、婚儀の座に並んだ。
日の座と、月の座のように。いかに佳い対の夫婦であったろうかと、街の者は、ただ、想像に描いた。
しかも、当夜の華燭から七日七夜にもわたる招宴や賀車の往来の生きた絵巻を繰るにも勝る典雅婉麗な盛事は、藤原氏の栄えたころにも稀れなくらいであろうとさえいわれた。また、月輪殿は、この七日に、俗世の財を、傾け尽しても惜しゅうないといったという噂もつたえられていた。
聟の君である綽空もまた、必ずしも、この一法師の嫁とりにはふさわしくない豪華と盛大とを、固辞しなかった。