轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页

青空文庫

しかし――犬に聞きわけのあろうはずもない。犬はただ、浅ましい飼主の血相を悲しみ、そして恐れるだけだった。

「――どこへ失せやがったか?」唇を噛んで、山伏は、そこらを睨めまわして歩くのである。心蓮は、たましいが竦んでしまった。――見つかったら、人違いでもしかねまい。逃げようか、じっとしていようか。彼は、ひとりでに五体がぶるぶるふるえてくるのをどうしようもなかった。

「街道のほうだな」そのうちに、こうつぶやくと、山伏は引っさげ刀のまま、彼方へ韋駄天のように走り去ってしまった。

もちろん、黒犬もその後について――心蓮は、ほっとした。

われに返ってくると、冷たい汗が腋の下をぬらしていた。ふたたび戻ってこないものでもない、今のうちだ。

彼は、崖を駈け上がった。そして山伏が破って出た柵の間から寺内へ入ってみると、ここは、寂として樹海の底に沈んでいる真夜中の伽藍が眼にうつるだけなのである。

「お、誰か起きている」心蓮は、奥ふかい堂の渡り廊下に、一つの小さい燈火が流れてくるのを眼にとめた。

三

「お願いの者にござります」近づいて、心蓮が地上に額ずくと、紙燭を持って、ちょうど橋廊架のうえを通りかけた寺僧が、