轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
八
われにかえると、彼は、こうして自分が師の草庵の近くにいることは、よけいに師を苦しませるものだと思った。――悄然と、覚明の姿は、やがて岡崎の松林を去って、いずこへともなく落ちて行った。
八
「――弟子の未熟はいうまでもなく師の未熟。覚明の犯した大殺の科は、申すまでもなくこの善信の犯せる罪に相違ないのです。……なんの貌あって、弥陀本尊のまえに、私は安坐しておられましょう」善信は、そこの持仏堂を閉じこめて、自身へ責めをうけていた。
「――思うに、まだ私の生活や私の行が仏のみこころに莞爾として受け容れていただくほどになっていないためと存じます、今日の出来事も、妻を娶り、法悦に甘えて、懈怠を生じた私の心へ、笞をお与え下さったものと考えます」あたりが暗くなっても、彼はそこを出なかった。彼の心が今、暗澹と責められているように、壇にも燈明が点っていない。
「おゆるし下さい。覚明の罪をいや私の科を。――同時に吉水の上人のおん身にこの禍いの暴風雨がつらく当りませぬよう。――吹かばこの身へ、降らばこの身へ、何事もこの善信へ、百難百苦を降させたまえ」――祈るうちに、その暴風雨というほどではないが、かなり強い風が、草庵の廂を翔けていた。