轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
「うむ」
「では、しばらくお待ちください。中座して失礼ですが、篤と、別室へ参って、相談したうえでお答えいたしますから――」と、二人はそこを立った。
五
真っ暗な縁を、住蓮は先に立って行く。
「どこへ」安楽房が、ふと疑って、こう訊くと、
「御仏の前へ」
「そうか」二人は、縁づたいに、法勝寺の本堂まで行った。
そこには、明りもない、火の気もない。
暗黒の中を、二人は、足さぐりで、弥陀の聖壇の前に、黙然と坐った。
「こういう時には、御仏のまえで、弥陀のお心にたずねて事を決めるにかぎる」
「よう気づかれた」
「さて……どうするか?」
「それだ……」ここでも、ふたたび重い嘆息が先にくりかえされる。
住蓮の考えとしては、もう一応、ふたりをよく説得してみて、それでどうしても御所へ帰らぬならば、やむを得ない手段ではあるが、これからそっと自分が御所の吏員へ訴えに行き、ふたりの身を穏便のうちに内裏へ帰してもらうように頼もう――というのであった。
「さ? ……」安楽房は、彼の考えを、欣ばない顔つきでいった。
「それは、どうかと思う。――死を賭しているあのふたりを、それでは、むざむざと、殺してしまうことにはなりはせぬか」