轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
世の中にゃあ、酔狂な野郎もある」奥へすすむには、どうしても、その唱名の声のする下を這って行かなければならなかった。
四郎は、念仏がやむのを待っていた。すぐやめてしまうだろうと思っていたのである。――だが、深々と、更ければ更けるほど、その唱名には、熱と、無我の信力が加わって、やがて夜が白みかけても、容易にやみそうな様子も見えなかった。
(何も、待っていることはねえのに!)と、彼は自分でも思うのであったが、何となく、その音声には、天井でも床下でも、十方の暗闇を見破っている人間の五韻が感じられて、その人間のいるすぐ下を通ることが、危険に思われてならないのであった。
「ばかな!」と、彼は、自分のそうした観念を、時によって生じた理由のない気怯れと自嘲して、ずかずかと、這い出した。
そこはまた、一段、床が低くなっているので這いにくかった。何か、竹の竿みたいな物に、膝をかけたのであろう、ばりっと、細竹の折れるような音がした。
「? ……」
すると、頭の上の念仏の声が、ぴたと止んだ。
六
唱名の声がしている間は、その唱名の声に威圧され、今また、その声が糸の切れたようにぷつと止むと天城四郎は、