轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页

青空文庫

ただ、どうかして、その悪性が善性となる転機に恵まれることを願いもし、信じもするものである。

こう善信は話した。

およそ人間の中に真の悪人などはいない。善人の心にも悪があり、悪人の心にも善はある。悪人と呼ばれるものは、社会からそういうけじめをつけられて、自身も、悪を嘆美したり、悪人がったり、悪を最善のものと思ったりしているが、その実、彼も人間の子であるからには、常々、風の音にも臆したり、末のはかなさを考えたりして、必ず、われわれのような生きがいは感じることができないでいるのだ。世の中に、不愍な人間という者をかぞえれば、路傍の物乞いより、明日の知れない瀕死の病人より、そういう日常坐臥に、人間のくせに、人間に対して負け目をもっている悪人である。

善信の話は、それから先も尽きなかった。人々は、まったく、水の底のようにひっそりして、皆顔をうなだれて聞き入っていた。――すると、誰ともなく、聴衆の真ん中で、不意にオイオイと声をあげて泣き出した者がある。

「おや? ……」初めて、人々は、眼をそこにあつめた。見ると、天下の大盗といわれる天城四郎ではないか。四郎は、子供のように泣きやまなかった。