轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页

青空文庫

十二

……けれど、私が助かれば、和子様のお父上に迷惑がかかると思うと、逃げる気にもなりません」曲者は、そういって寂然と首をたれていたが、やがて首を上げると、発狂したように、牢の外へ向って呶鳴った。

「お館のうちへ申し入れる。どなたなりと、お出でください。火急申しあげたいことがござる! どなたなりと、お出合ください!」

十二

厩牢からの喚き声に、

「なぜ騒ぐかっ」箭四郎がまず駈けだしてきて、曲者を叱った。

何事かと、範綱も、奥から姿をあらわした。曲者は、牢格子にすがって、

「お館へ、申しあげたいのでござる。今日までは、骨を砕かれ、肉をやぶられても、この口は開くまいと、心を夜叉にし、固く誓っておりましたが、十八公麿様のやさしさに、あわれこの夜叉も、弱い人間の親に立ち回りました。いわずにはおれぬ気持が急なのでござる。お聞きとり下さい。それがしの自白を――」と、叫ぶのだった。その声には真実がある。その顔には涙がながれている。範綱はいった。

「箭四、牢から出してやれ」

「えっ、出しても仔細はございませぬか」

「縄も解いてやれ」箭四郎は、いわれる通りにした。縄を解くのだけは不安な気もしたが、曲者は神妙だった。