轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
三
「ど、どうしてそんな、大それたことを私が……。あまりといえば、情けないお疑いでございます」お吉は、鬢の毛をふるわせて、良人のことばを、恨めしく思った。
「じゃあ見せろ。――見せられめえが、それは、男からきた艶文にちげえねえ」
「とんでもない……そんな物ではございません」
「いうなっ、もう何も吐かすなっ。おれにはちゃんと解っている。てめえの相手は、仲間の和介だろう」
「えっ?」
「どうだ、おれの眼に、くるいはあるめえ。弟弟子の和介の野郎と、てめえは、艶文を交わしているのだろうが」
「なんで私が……ええあんまりな」
「しぶとい阿女めが」平次郎は、猜疑の鬼になっていた。妻のやさしい情けも、苦役して稼ぐ小費も、みなその和介にむすびつけて日ごろから邪推していたものである。
「よくも……男のつらに泥を塗りゃあがったなっ。……ウウム、見ていやがれっ、うぬも、和介の野郎も」どん――とお吉を一つ蹴放しておいて、平次郎は、奥へ駈けこんで行った。そして片肌を脱いで、逞しく盛り上がっている筋肉を見せ、再び躍り出してくると、
「この不貞腐れめっ」振り上げたのは、彼の仕事道具である磨ぎ澄ました大手斧だった。