轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
――だから、平家を罵ることは、自分たちを罵っているのも同じことだといえる。――そういったのは間違いだろうか」
「…………」
「三塔の権威がどこにある」皆が、黙ったので、朱王房は、得意になってなおいった。
「――この一山には、三千の僧衆がこもって、真言を修め、経典を読んではいるが、堂塔も、碩学も、社会にとっては、縁なき石に等しい。武家が天下を取ったり取られたりするたびに、心にもない祈祷をし、能も、智恵もなく、暮しているのが今の僧徒だ。恥しいことではないか」
すると、妙光房という学僧が、
「いかにも、朱王房の説のとおりだ――。僧徒だからとて、時の司権者に、圧えられて、無為無能に、納まってばかりいていいものではない」と、共鳴した。
「いや、違う」という者も、出てきた。
「なぜ違う?」
「僧には、僧の使命がある。――政治だの、戦だの、そんな有為転変を超えて、社会よりも、高いところにあるのが僧だ、叡山だ。――平家が悩む時には、平家も救ってやろう、源氏が苦しむ時には源氏もなぐさめてやろう。それが仏徒の任務だと思う」
「ばかなっ」朱王房は、一言に退けて、
「支配者ばかりが、人間か――平家という司権者の下には、何百万の人民がいることを忘れてはならない。