轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
「あ……。性善坊どのだな」行く先は、分っているので、自分は遅れて後から追いつくつもりであったが、範宴たち二人が自分を待っているとすれば、これは、済まないことをしたと思った。にわかに、立ち上がって、
「おうーい」と、下からも、峰の中腹を見上げて答えた。
そして、崖道を、攀じながら、元の所へのぼってゆくと、性善坊はそこへ駈けてきて、
「孤雲どの。よろこばしいことがあるぞ」
「え?」唐突なので、眼をしばたたいていると、性善坊は、はや口に、そこの土牢の中にいる若い僧こそ、寿童丸であると告げて、
「わし達は一足先に無動寺へ参っておるから、ゆるりと、旧主にお目にかかって、ようく、不心得を、諭してあげたがよい」といい残して、立ち去った。
範宴と性善坊の姿が、山蔭にかくれるまで、孤雲は、茫然と見送っていた。半信半疑なのである。自分が多年探している寿童丸が、ついそこの土牢の中にいるなどとは、どうしても、信じられないことだった。
ふと見ると、なるほど、土牢の口が見える。高札が立っている。――彼は、怖々と、やがてその前へ近づいて行った。
七
「おうっ――」孤雲は、土牢の口へ、われを忘れて飛びついていた。