轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
二
ちょうど松の内の七日である。範宴は、網代牛車を打たせて、青蓮院の僧正のもとへ、これから初春の賀詞をのべにゆこうと思うのであった。
二
供には、いつものように、性善坊と覚明との二人が、車脇についてゆく。
牛飼の童子まで、新しい布直垂を着ていた。
慈円僧正の室には、ちょうど、三、四人の公卿が、これも賀詞の客であろう、来あわせていて、
「御門跡がおいでとあれば――」と、あわてて、辞して帰りかけた。慈円はひきとめて、
「ご遠慮のいる人物ではない。初春でもあれば、まあ、ゆるりとなされ」といった。範宴は、案内について、
「よろしゅうございますか」蔀の下からいった。
「よいとも」僧正は、いつも変らない。
範宴も、ここへ来ては、何かしらくつろいだ気がする。僧正のまえに出た時に限って、童心というものが幾歳になっても人間にはあることを思う。客の朝臣たちは、
「は……。あなたが、聖光院の御門跡で在すか。お若いのう」と、おどろきの眼をみはった。
「おん名はうかがっていたが、もう五十にもとどく齢の方であろうと思っていたが」べつな一人も同じような嘆声を発すると、僧正はそばから、
「はははは、まだ、見たとおりな童子でおざる」