轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
四
「なるほど……。今の世には、書をかくより、歌をよむより、刀を鍛つ人間のほうが、求められているとみえる」一軒の鍛冶小屋の前に立って、宗業は、漠然と、鍛冶のする仕事を眺めていた。真っ黒な小屋の中には、あら金のような、男たちが、をかけたり、炭を焚いたり、鎚を振ったり、そして、
テーン! カアーン! 火花を、鉄敷から走らせていた。
あっちの小屋でも、こっちの仕事場でも、無数の刀が、こうして作られている。――やがて、この刀が、何につかわれるのかを考えると、気の弱い宗業は、怖ろしくなって、そこに立っていられなかった。
「おウい」振向くと、兄の範綱が、青蓮院の方から、駈けてくるのが見えた。宗業は、救われたように、
「御用は、済みましたか」
「いや、やっと、お暇を告げてきた。午にもなるゆえ、食事をして行けと、仰せられてな、弱った」と、範綱は、貴人の前にひれ伏していた窮屈さから解かれて、伸び伸びと、晩秋の明るい野を、見まわした。
四
「僧正は、おすこやかですか」
「ウム、お変りない」
「和歌も、おすすみでしょうな」
「ご上達だ。われらにも、およばぬお歌が時々ある」
「しかし、俗衆の中に生活ている吾々のうたうのと違って、ああして、名門に出て、深堂の座主となられていては、花鳥風月の心はわかっても、ほんとに、人間の悩みとか、涙とか、迷いとか、そういう