轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页

青空文庫

すぐ走って行った。

性善坊は、師のそばを離れることは不安だし、覚明ひとりではどうあろうかと、しばらく、佇んだまま見ていたが、おぼろな中に消えた友のすがたは、容易に帰ってこなかった。

「人を救うもよいが、覚明は、勇に逸るのみで、一人を救うがため千人をも殺しかねない男じゃ、性善坊、見て参れ」範宴も、心もとなく思われたか、車のうちからそういった。

「では、しばらくお一人で」いい捨てると、彼の体も、弦から放たれたように迅かった。堤のすそを流れる小川を跳んで、まだ冬草の足もとに絡みつく野を、いっさんに走ってゆく。

行くほどに、やがて、罵る声だの、得物を打ちあう音だのが、明らかに聞きとれてきて、雲母月夜の白い闇を、身を低めて透かしてみると、覚明法師ただ一人に、およそ、十四、五名の魔形の者が諸声あわせて挑みかかっているのだった。

「助勢に来たぞよ、覚明」近づきつつ、性善坊は、身を挺して、悪人たちの中へ割り入ろうとしたが、その時、突として横あいに傍観していた一人の男が、野中の一本杉の根本からついと彼の前へ寄ってきて両手をひろげ、彼をして、覚明の助勢をすることを不能にさせてしまった。