轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
十
「おのれも、賊の組か」前に立った人影の真っ向へ拳をかためて一撃をふり下ろすと、相手は、飄として、身をかわしながら、
「てめえは、性善坊だな」
「やや」
「天城四郎を忘れはしまい」
「オオ、何で忘れよう、おのれとあっては、なおゆるせぬ」
「邪魔をすると、気の毒だが、命がないぞよ、常とちがって、今夜の仕事は、大事な玉だ」
見れば、一本杉の根もとには、彼らがここまでかついで走ってきた姫の体が、要心ぶかく縛りつけてある。その姫の顔には、声を出さないように、猿ぐつわが噛ませてある。
十
正義を踏んで立つ背には仏神がある。
「南無っ」といって性善坊は武者ぶりついて行った。
どこの女御かわからぬが、この悪人の餌にさせてはならぬ。今もって、悪業を行とし、京都を中心に近畿いったいをあらし廻る浄土の賊天城四郎の贄にさせてなろうかと、相手の正体を見、被害者の傷々しい姿を見ると、彼の怒りはいやが上にも燃えて、
「南無っ」組んで倒さんとすると、四郎も満身を怒肉に膨らませて、
「うぬっ」
「南無っ」
「うぬっ」死力と死力とでもみあううちに、仏神の助勢も、この魔物の悪運には利益も施す術なく見えて、