轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
三
外で再びいうと、
「あ、平次か」起ってきて一人が内から腐りかけている戸をがたぴしと開ける。家のうちに充満していた炉の煙は疾風のようにむうっと軒から空へ逃げて行った。
「遅かったなあ兄弟」中でごろごろしている仲間の者たちが等しくいうと、寒空に曝されてきた赤ら鼻を煤べるように炉へ向って屈みこんだ二人の手下は、
「あたりめえよ、汝たちみてえに、飲んじゃ怠けているのとは違わあ」誇るように、自分たち二人で盗んできた小銭や笄を出して、頭領の四郎のまえへ並べてみせた。
賞められるかと思って期待していると、天城四郎は眼もくれないで、
「これが仁和寺へ行った稼ぎか」
「へい、昼間仕事で、案外うまいこともできませんでしたが、それでも、撒き銭を拾ったやつの袂を切って、これだけ掻っ攫ってきたんで」
「ばか野郎っ」
呆っ気にとられた子分の顔を見すえて、四郎は酒をつがせながら、
「誰が、こんな土のついた小銭などを拾ってこいといった、仁和寺で働いてこいといったのは、今日、供養塔の棟上げをした長者が必ず寺へ大金を納めたにちがいないから、それを奪うか、または長者の親族たちが、それぞれ贅沢な持物や身装をして来ているだろうと思って汝たちにいいつけたのだ。