轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页

青空文庫

時々、辻へ来て、はっと上げる眼ざしは、うつつで、底光りがして、飛び出しそうな熱をもって、無心な者はぎょっとする。

だが、彼の姿を、往来の誰もが、そこらにうろついている物乞い僧と同一視していたのは、むしろ幸いといわなければならない。なぜなら、もし、聖光院の門跡範宴少僧都が、そんな身装をして、この朝まだきに町の中を通っているのを見つける者があったら、さなきだに今、彼の行方は社会の問題になっているし、月輪の姫との恋愛沙汰なども、喧ましくいわれているところなので、たちまち、

(破戒僧がいた)

(範宴少僧都があるいている)と、興味や蔑しみの眼があつまってきて、彼の姿を見世物のように人が見に集まってきたかも知れないのである。

そういう実は危険な往来であったが、範宴その人は、少しも、それには意をつかっていない。――ただ、求法のもがきだけだった。今の闇を脱する光明をつかみたい。出離生死の大事――それにのみ全能はかかっている。

「ああ」四条の仮橋の欄を見ると、綿のようにつかれた体は、無意識にそれへ縋った。夜来の雨で、加茂川は赤くにごっていた。

濁流の瀬は逆まいて白い飛沫をあげていた。