轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
おそらく、禁足を命じられているのであろう。
そこへは、近づき難いし、姫の便りも断ち切られたが、綽空の夢は、ほとんど、ある夜はそっと彼の肉体をぬけて、姫のすがたを見ることもあった。
ことに、一夜一夜、星の光も温かい春の宵となるにつれて――
ある朝だった。
綽空は、ゆうべの夢を、紙片に書きとめて、誰にも見すべきものではないとして、自分の手箱の底に秘めておいた。
行者宿報設女犯
我生玉女身被犯
一生之間能荘厳
臨終引導生極楽
*
叡山から降りて来た一人の寺侍がある。一枝の梅に、文書を結いつけて、五条の西洞院へはどう行きますかと、京の往来の者に訊ねていた。
五
父の禅閤は、日課のように、九条からこの西洞院の別荘へよく通っていた。
そして、奥へ通ると、
「今日はどんな様子じゃな」と、まず声をひそめて、薬湯のにおいの中に寂としてかしこまっている侍女のものに訊くのが例であった。
昼も妻戸をほのぐらく垂れこめて、青金の砂子のみが妖美く光るふすまの隅に、薬湯の番をしている侍女たちも、そこを隔てた姫の部屋を憚るようにして、低声に答えるのであった。
「ゆうべは、常になく、ようお寝みあそばしました」