轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页

青空文庫

「盗賊か?」咄嗟には、そんな程度にしか想像できなかった。心蓮は、大きな樫のうしろへ走りこんだ。

上の柵を破って、崖の竹むらへ飛び込んだ人間がある。――一人なのだ。手にキラと何か光ったものを心蓮はたしかに見た。

「畜生っ」すさまじい怒りをふくんでいる男の声がすぐ側へ来て聞こえた。見ると、それは額に兜巾をあてている山伏である。

けん! けんっ! 黒犬は、山伏の袂に――裾に――まるで死にもの狂いの慕い方をして、追い纒っているのである。それを、腹立たしげに、

「うるせえっ」山伏は、蹴った。悲鳴を上げて、犬は腹を見せて仆れた、しかし、屈しないのだ、すぐにまた、噛みつくように、山伏の後を追う。

「ぶッた斬るぞ」ひっさげている直刃の戒刀を、山伏は、怒っている眼の上にふりかぶって見せた。――それには、さすが血迷っている犬も怖れをなして、いと悲しげな声をあげて、尾を垂れて逃げすくむ。

「――みろっ、てめえが飛びこんできたおかげに、綽空の奴を、どこぞへ、逃がしてしまったじゃアねえか。おれを追うより、綽空をさがせ! 今夜こそ、あいつの息のねを止めてしまわなければならねえ。――よっ黒犬、おれを主人と思うなら、おれの狙う綽空を一緒にさがしてくれ」