轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
「それがどうしましたか」
「叡山へ、隠密に行ったものでござります、物ずきにも」
「なにをさぐりに」
「近ごろ、南都、高雄、そのほか叡山なども、主となって、吉水を敵視し、上人以下の念仏門の人々を、どうかして、堕し入れてやろうという企てがあることは、専ら世上の風説にもあるところでござります。――それを案じて、吉水の学僧たちの若い人たちが実性に命じて、叡山の様子を密偵しにやったとみえまする」
「ま……」玉日は、動悸をおぼえたように、そっと胸を抱えた。
「で――実性は忠実に、幾日かを、叡山にかくれておるうち、ちょうど今宵、大講堂の山門の僉議がひらかれたので、山法師の群れにまぎれ込み、その評定の様子を見聞きしていたところ、誰からともなく、あれは吉水の人間だと看破されたために気のあらい法師たちに取り囲まれ、半死半生の目に遭って、足腰も立たないほどにされた身を、からくも、ここまで逃げのびてきたのだと申すのです。――すぐ吉水へ帰るにも、今申したとおり、ひどい怪我をしておるので、歩めもせず、上人のお目にふれれば、必ずお叱りをうけるにちがいなしというて、その辺りにまごついているうちに、また山法師の目にかかったら、今度は命も危ないゆえ、体の癒えるまで、どうかこの草庵の物置のうちでもよいから匿ってくれい――と、かようにいうのでございます