轻松读懂日语经典作品
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しんらん
親鸞
吉川 英治
「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页
「……駄目です、いただいても無駄です、私はもう助からない、死がそこに見えている」うわ言のようにいって、かたく眼を閉じたと思うと、その眼から一しずく涙のようなものを流して、
「――この草庵の主、善信御房はまだ旅からお帰りになりませんか。わたしは、善信御房にお会いして、告げなければならないことがあるんです。……おう、おう、吉水禅房はどうなりましょう……。このままに、手をこまねいていたら、叡山や南都の法敵のために、上人のお身も気づかわれます。せっかく、築きあげてきた浄土門の寂土は、あいつらのために、踏みあらされてしまうに決まっている……。私は、善信御房にひと目会って、私がさぐってきた叡山の様子をお告げしたい……それから死にたいのです……善信御房は、まだお帰りになりませんか」
五
一人の侍女は、勝手元で朝餉の後の水仕事をしている。
玉日は、持仏堂や、居室の掃除を、日課としている。また、良人のものの濯衣なども、すべて馴れないながら自分の手ですることに努めていた。
ゆうべ、実性の傷口の手当をしてやった折に、彼女は朝になって、自分の小袖が血しおでよごれているのに気づいた。